起床、午前2時30分。断食中は寝ているのが惜しいと思っているせいか睡眠時間は極端に少なくなる。
まだ夜の明けきらない静寂の中で「坂田真民」の詩を読む。
“念ずれば花開く”
念ずれば 花開く
苦しいとき 母がいつも口にしていた このことばを
わたしもいつのころからか となえるようになった
そうして そのたび わたしの花が
ふしぎと ひとつ ひとつ ひらいていった
断食2日目は「右脳デー」
片っ端から手持ちのCDを聞きまくる。「アランフエス協奏曲」、「ピアノ協奏曲第5番“皇帝”」(ベートーベン)、「ケルン・コンサート」(キース・ジャレット)、「アビー・ロード」(ビートルズ)、「紅雀」(荒井由美)・・・・・・・・
一つ一つのメロディーが頭脳のどこかで鮮やかな映像に変換される。これも断食の醍醐味である。
午後7時、うなぎをおかずにご飯を貪り食う息子を見ても、動じる気配を見せない自分がいる。その自分をもう一人の自分が「おまえも解脱したのぅー」と評する。
これも断食の醍醐味ではある。