六本木ヒルズで映画「マリー・アントワネット」を観た帰りに、広尾のフレンチ・レストラン「エパヌイ」で食事をした。ここは前から訪問したいと思っていたレストランである。・・・・・おっ!ここでピコさんの
「定休日だったお店とは・・・」にトラバです。
「エパヌイ」は広尾といってもそのはずれの駒沢通りの路地を入ったところにある一軒家のレストランである。恵比寿のイタリア料理店「イル・バッフォーネ」ほど目立たないわけではないものの、なにを好き好んでこんな辺鄙な場所に出店したんだろう?というところにある。
店内に入るとシェフの奥様と思しき方とわんちゃんに迎えられる。このわんちゃん、自分もスタッフと思い込んでいるのか接客は一丁前だ。
シャンパーニュ(グラス:1050円)を飲みながらメニューを検討。女房もボクも前菜・メイン・デザート・コーヒーで3990円(税込、サービス料10%別)のコース(プリフィックス)をお願いした。
アミューズは薄く焼いたクネッケのような食感の上にサーモンをのせたもの。
ボクの前菜は「田舎風鴨のテリーヌ」。これは美味しい。この美味しさを言葉で表現するのはとても難しいが、繊維質の残った鴨腿肉の部分を食べてみると鴨独特の旨みを感じ、これをフォアグラとあわせて食べるとさらに味わいが深くなる。塩加減もちょうど良く、もったいないのでちびりチビリと食べた。また、添えられている野菜の味が濃く、これも美味しい。あとでこのお店のHPで確認したところ野菜にもこだわっているとのこと。納得である。
女房の前菜は「渡りカニと剣先いかのリゾット イカ墨のソース」。ひと口食べた女房は、食べた瞬間に顔をほころばせる。大好物の渡りカニのエキスが十分にでたリゾットはアルデンテで塩加減も「ストライクゾーンのど真ん中」だったそうだ。アクセントになっているイカ墨を混ぜると、全体がマイルドになりまた別の味わいを楽しめる、と言っていた。(ボクは食べてない。っていうかもらえなかった)
ボクのメインは「きじ鳩とフォワグラのパイ包み焼き」(+1050円)。これが食べたくてこのレストランを予約したのだ。このきじ鳩はシェフのお父さん(マタギ?)が撃ち落したものだそうだ。
あまり上手く撮れていないが半分に切るとこんな感じ。まずはキジ鳩の肉だけを食べてみる。肉質は硬くはないが歯ごたえがあり、野生の鳩を食べているなぁと実感できるほど。若干くせがあるが、このくせはボクの好きな部類に入るもので決して嫌ではない。特質すべきは肉の味。もっと淡白な味気のないものを想像していたのに、赤身独特の旨みが感じられ見事に期待をくじいてくれた。
次にパイ、フォアグラ、肉をいっしょに食べてみる。焼きたてなので、はふはふするほど熱い。キジ鳩の肉を単品で食べるよりも、これらが三位一体になった味わいはさらにさらに美味しくなる。ジビエ季節が終わらないうちにまた食べてみたいほどだ。(次回はシェフのお父さんが獲った青首鴨のローストもいいかもしれない)
女房のメインは「フランス・シャラン産 鴨のもも肉のコンフィ じゃがいものリソレ添え」。鴨のコンフィは女房の大好物である。皮はカリカリに仕上げてあり、肉も脂ギッシュではなく合格点をもらえたようである。これも美味しいけど、やっぱり恵比寿の「レスパス」のほうが好きかな・・・などと店を出たあとに言っていたが・・・。
コート・デュ・ローヌ(赤)。ワインの品揃えはこの規模のレストランにしては充実しているほうだと思う。価格帯も2500円からととても良心的。欲をいわせてもらえば5000円~8000円台の価格帯のワインをもう少し増やしてもらえれば嬉しいところだ。
今日のんだローヌの赤は3500円。「ローヌの赤は裏切らない」というボクの勝手なセオリー通り、このワインもとても美味しく、料理にとても良くマッチしてくれた。
ボクのデザートは「いちごのミルフィーユ アイスクリーム添え」。ご覧のようにはじめから倒れているので食べやすい。甘さ控えめで、生クリームはふんわりと軽い。満足。
女房のデザートは「焼きりんごのタルト 蜂蜜のアイスクリーム添え」。これならいくらでも食べられちゃうわ!という感想であった。女房も大満足。
会計はこれで15000円弱。こんなに美味しく食べて、飲んでこの値段は超リーズナブルだと思う。行きつけの店がまた一軒増えてしまった。
フランス料理「エパヌイ」(広尾):http://epanoui.net/indexpc.htm