↑ すっかり近代的になったコルドバ駅構内
恥かきついでにもう一話。新婚旅行でコルドバに行ったときのこと、時期は5月、マドリーからコルドバまでの列車の旅を楽しみ、コルドバで下車し、駅から外に出た瞬間、あまたのモンシロチョウに出くわす。蝶のなかでもとりわけモンシロチョウ恐怖症の彼女は、「ちょーちょ、ちょちょ、きゃー!ちょちょ、やだー!ちょちょ・・・・・」と叫びながら駅構内を逃げまどう。とっさに、私はやばい!と思って彼女を制止しようとしたが、時すでに遅く、周囲にいた何十人ものスペイン人から冷ややかなる驚異の目で見られる。女房は恐怖のあまり体をこわばらせ、私は羞恥で顔をこわばらせる。教えておかなかった私に責任はあるのだが・・・やっと恐怖心から開放された女房は現在起こっている事態を把握できず、「ねえ、ねえ、なんでみんな私たちのこと見てるの?」と呑気な質問をしてくる。後で説明すると女房は、「やぁーだぁ、なんで教えてくれなかったの」と私を責める。「それに、コルドバにあんなにたくさんちょー・・じゃなかった、てふてふがいるってなんで教えといてくれなかったのよ」と言って凄んでくる。言葉のことはともかく、てふてふのことで責めないでほしいとも思ったが、一応、新婚旅行。成田離婚を回避するためにも、ここは折れるに如くはなしということで素直に「ごめん、許してね」とワビを入れる。翌日から彼女は蝶の大群を見ると、「あ~~、てふてふ、いやだぁ、てふてふ・・・」と叫びながら逃げ惑う羽目になった。この習慣は現在も続いている。
普段は蝶々のことを「ちょうちょう」と発音するが、慌てたときは「ちょちょ」になる。これすなわちスペイン語では女性の大事な部分=Coñoのことなのである。(Excuse for the language)