お蕎麦を3日間食べないとさすがに禁断症状が出てしまい、碑文谷の「朝日屋」の開店時間に合わせて飛び込んだ。
大好物の「せいろ」で禁断症状を緩和させるつもりだったが、壁に「ゆずきり、始めました」の張り紙が。どちらにしようかしばし迷った末、注文したのは折衷案としての「2種もり」。「せいろ」と「ゆずきり」を同時に楽しもうというのだ。
いつぞや、三軒茶屋の「安曇野」で「ゆずきり」を初めに食べ、そのあと「せいろ」を食べたら、せいろ蕎麦の繊細な味がわからなくなってしまったという学習をしているので、今回はまずは「せいろ」から。何度食べてもこれは旨い。ホッと落ち着く味である。
次に食べた「ゆずきり」は「せいろ」よりもコシが強く、ゆずの香りと更科そばの香りとがうまい具合に混ざり合い心憎いほどの味わいである。
お蕎麦のあとはとろ~んとして香り高い蕎麦湯が待っている。これに揚げたての天かすを入れて、七味唐辛子をパラッとふりかけて飲むと別味を楽しむことができる。「朝日屋」はお蕎麦ひと品で2度楽しめるお蕎麦屋なのである。
夕方から会議が日本橋であるので、その前に蕎麦行脚を決行。場所は三越本店に程近い「利休庵」。注文は「もりそば」(580円)にした。
お蕎麦はこのように更科系の白さと細さである。味、香り、コシ、どれをとっても私の好みであるが、もり汁が少し甘すぎたように思われる。午後4時過ぎなのに、お客さんはひっきりなしに入ってくる。これは立地だけではなく、このお店のお蕎麦、店員さんの接客に起因するのであろう。
美味しいお蕎麦を気持ちよく食べられる「利休庵」には日本橋に来たときにはまた寄りたいと思う。