私がプチ断食をする目的は減量ではない。断食をすることによって普段では決して味わうことのできない人生を経験することにこそ本当の目的はある。
午前4時30分起床。断食中、唯一口にできる「三年番茶」の仕込みにかかる。
今まで何回となく実践してきた断食の初日は「一日読書」。私の寝床の周囲に所狭しと積まれている約300冊の未読の本から慎重に3冊を選び出して書斎へ。
午前中は30分の読書に対して10分のインターバル、それが午後になると1時間続けて読書をしても休憩を必要としないほど集中できる。1時間が2時間となりあっという間に夜のとばりに包まれる。これこそがまさに断食の醍醐味である。印刷された文字群が何の抵抗もなく頭脳に浸透してくるのだ。
今日、読了した本の中での圧巻は「パパラギ」であった。サモアの酋長がヨーロッパの欺瞞に満ちた文明を批判したものである。これは今後の人生における座右の書になるであろう。
自らの人生の来し方行く末を考えるには断食は絶好の機会を与えてくれる。
満ち足りた気持ちを抱きつつ午後10時過ぎ就寝。