無事に
東海道を完全踏破することができた。それを記念して今日から3日間、京都三昧することにした。
ぐっすりと眠ったなと思い、枕元にある時計を見るとなんと9時半。いったい何時間眠ったのだろうか。相当に疲れていたせいもあるが、これだけ眠ることができたのも快適なオークラのベッドのおかげかもしれない。今日から3日間、京都に滞在し、グルメと歴史探訪とを満喫するつもりだ。
「本能寺」。織田信長が明智光秀の裏切りに遭い、非業の死を遂げたこの有名すぎるほど有名な寺院を訪れるのは初めてである。たまたま通りがかったので、織田信長の墓前で霊を弔うことにした。
好みから言えばボクは織田信長という人物が好きではない。その破天荒な業績は偉大であり、彼のもつ天性には驚かされはするが、好悪の感情からすると好きになれないのだ。(明智光秀のほうがずーっと好きである)
本能寺に寄ったのは、実は以前からある方のブログで紹介された老舗喫茶店に向かう途中にたまたまこのお寺があったからなのだ。
その喫茶店とは、ピコさんの
”イノダコーヒー 本店(京都市)”にバクダン投下です。(京都でもストーカーしちゃいますた。 笑)
11時前だというのに10人以上の行列ができており人気のほどがうかがえる。喫煙席ならすぐに席に案内してくれるということなので、迷わずに喫煙ルームに入ったが、天井が高いせいなのか紫煙はまったく気にならない。
お願いしたのはコールコーヒー(京都ではアイスコーヒーのことをこう呼ぶようだ)とトースト。アイスコーヒーは東京ではほとんど姿を消してしまった老マスターがびとりで切り盛りしているような燻されたコーヒー専門店の味。香り高く、味に深みがあり美味しい。この旨さはスタバやタリーズのようなバター臭い旨さではなく、基調には和のテイストが漂っている。(部屋の雰囲気や京都にいることでそう感じたのかもしれない)
古都の老舗の空間には時間がゆるやかに流れているようで、その流れに流されるままにしていると心身ともにリラックスできたように思えた。
喫茶店「イノダコーヒー」:http://www.inoda-coffee.co.jp/
京都駅に午後1時前に着く女房を迎えに、京都駅までテクテクと歩く。地下鉄やバスを利用してもよさそうなものだが、歩く癖がついてしまったようである。
女房と無事に落ち合い、駅横のデパート(松坂屋?)にある湯葉料理専門店「松山閣」でランチタイム。食べたのは京料理と生ゆばの「ゆば桶膳・雪」(2835円)。
先付の生麩も向付の鰊と里芋の煮物もとても繊細な味で美味。なんといってもこの店のオススメである生ゆばは絶品。2時に待ち合わせがあるので慌てて食べたが、ゆっくりと味わいたかった。
生ゆば料理「松山閣」:http://www.shozankaku.jp/kyotospot/
さくっと食事をし、タクシーに乗り今日から2泊する「グランドホテル 京都」にチェックインを済ませ、小中を通じての恩師であるN先生と3年ぶりに再開する。彼はボクの両親が共働きだったために、息子の教育に不安をもった両親がつけてくれた家庭教師である。ボクの17年間の学生生活で教えを受けた教師の中で彼からもっとも多くのことを学んだ。彼は今は大阪の中学校で社会科の教師をしており、学校が休みのときには長野の別荘で優雅な生活を送っている。
N先生に初めに連れて行ってもらったのが南禅寺。山門に登り、石川五右衛門を真似て「でっけーかな でっけーかな」と叫んでみる。(笑)周りの人々に笑われながら、もう一度叫んでみる。本当にこの山門はでっけー。
東山方面に場所を移し、先生の歴史講義を受ける。テーマは臨済宗と南禅寺について。
次にすぐ近くにある金地院。ここは京都生まれ京都育ちのN先生が京都でもっとも気に入っている寺である。金地院といえば家康の知恵袋として活躍した臨済宗の僧侶である金地院崇伝が思い出されるが、この塔頭は彼により再興されたものだという。あいにく院は改築工事中でほんの一部しか見ることができなかったが、目と鼻の先にある南禅寺とは異なり観光客の姿はまったくなく、静寂の中で先生との会話を楽しむことができた。
次に向かった先は葛きりで有名な「鍵善良房」である。ここは25年前、当時交際していた女房と親に内緒で京都旅行をしたときに立ち寄ったことがある。(女房はボケが始まったのか記憶にないという。あなた、他の女性と間違えてるんじゃないの?などともほざく。京都には女房以外の女性といったことはない。「京都には」だが・・・。笑)
今日の京都は蒸し暑かったせいもあり、キンキンに冷えた葛きりが特に美味しく感じられた。
甘味処「鍵善良房」:http://www.kagizen.co.jp/
今回の旅に出る前に京都では何を食べようかと京都通の姉御に尋ねてみたところ「川床」がええんちゃうとのアドバイスをいただいた。そこで、ロシア人相手の観光ガイドをしているN先生の奥様にどこの川床が良いか相談したところ、先斗町から少し上がった京懐石「梅むら」をすすめられ、この店で川床遊びをすることにした。
鴨川から吹き上げてくる風に吹かれながらこんな料理を食べた。(料理は13000円のコースをお願いした)
どれもこれも京都らしく上品な味で美味しい。それにしてもこの皿数、すべて平らげたけど、食べ終わるころには思考能力がゼロになってしまった。これだけの皿数だったらロシア人もさぞ満足することであろう。
京懐石にもワインだ。ブルゴーニュの白(6000円)。味はそれなり。
京懐石「梅むら」:http://www5a.biglobe.ne.jp/~ume-mura/