女房と銀座で「Bee Season」(邦題「綴り字のシーズン」)を観た。あらかじめ原作を読んでいたが、映画には原作者の意図がうまく反映されてなかったのが残念であった。もっともこの作品は映画にするにはかなり厄介であると思われるが。
それでも、主演のリチャード・ギアの枯れた演技がよかった。また、その妻役を演じたジュリエット・ビノシュの演技も「デコラージュ・オレール」や「ショコラ」のときのようなシラジラシさがなく好感が持てた。
時刻はまだ5時前。せっかく銀座まできたのだからとどこかで軽く食事でも、ということで入ったのが「よし田」。蕎麦屋である。
こんな時間なのに店内はサラリーマン風の人々でほぼ満席。仕事始めだから早めに会社を退けたのだろう、皆さんすでにかなりデキアガッテいる様子だ。
お店は私の持っている銀座観を裏切るウルトラ庶民的な雰囲気である。働いているのはほとんどが女性だが、年配の人ばかりで皆さんシャキシャキしていてとても気さくだ。(神田「まつや」も「やぶ」もそうであった)
まずは一種類しかないという冷酒で乾杯。つきだしは大根の酢の物と「ねぎ」。ねぎ?お蕎麦を頼んだわけでもないのにねぎ?・・・・・試しにねぎをつまみに酒を飲ってみるとけっこうイケル。思いつきそうで思いつかない酒肴である。
つまみは恐る恐る4品お願いした。というのは、この店の品書きには蕎麦には値段表示があるが、つまみ類にはまったく値段表示がないからだ。江戸っ子がいちいち値段を尋ねるのも野暮だ!ということで「恐る恐る」となった次第である。(本当は気が弱いからだが・・・笑)
「玉子焼き」:出汁が弱いけれど、ふわっと仕上げてあり、甘みはほとんどない。GOOD!
「鮪のやまかけ」:マグロの中トロも混じっていて、しかも山芋の味も良く、これもGOOD!
「焼き鳥」:蕎麦つゆに長時間漬け込んで焼き上げてある。少し塩辛いが味は良いのでGOOD!
「にしんの煮物」:味付けは好みだが、ニシンがボソボソしていて食感は良くない。だからチョビGOOD。
仕上げは「もりそば」。銀座のど真ん中なのに値段は一枚480円というビックリ価格だ。(ちなみに天ぷら蕎麦でも1000円以下で食べられる)
味は普通だったが・・・。
会計はこれらにお銚子4本で6500円。つまみは恐れていたほど高くはなかった。
「よし田」(銀座):http://gourmet.yahoo.co.jp/gourmet/restaurant/Kanto/Tokyo/guide/0102/WV-TOKYO-6RBBW001.html