今日の昼飯は前から行きたかった南大井にある「布恒更科」で蕎麦を食べた。
昨年読んだ「蕎麦屋の系図」によると傍系ではあるが、寛政年間創業の「信州更科蕎麦所 布屋太兵衛」の曾孫に当たる。(ちなみに父親格は「有楽町更科」、祖父格は「麻布永坂更科」である。兄弟格としては「銀座更科」、「麹町更科」がある。また、この蕎麦屋は以前に一度紹介した
「品川蕎麦の会」の会員店でもある。)
このお店まで行くには徒歩ではちょっときついので女房と車で出かけた。(お店の横に専用駐車場有り)
注文したのは「春菊の変わり蕎麦」、「紫芋の変わり蕎麦」(それぞれ1050円)と「せいろ」(840円)。
蕎麦の値段はかなり高めの設定である。私の頭の中には、
高い蕎麦=量が少ない
という等式が成り立っているので、「春菊の変わり蕎麦」が運ばれてきたときにはその量の多さに感激する、というかこれ以外に2品も注文してしまい、果たして食べられるのかどうか不安がよぎる。
蕎麦は細く、シコシコでかなりの歯ごたえがある。蕎麦を噛んでいると、ほんのりと春菊の香りが鼻腔に充満する。とても上品な仕上がりの蕎麦である。
もり汁は少し甘めで蕎麦との相性はなかなかのものだ。
次に運ばれてきたのが「紫芋の変わり蕎麦」である。なんともグロテスクな色ではあるが、蕎麦を噛んでいると紫芋の味がほんのりとし、甘みすら感じることができる。春菊蕎麦よりもこちらのほうが私の好みである。
変わり蕎麦はこれ以外に「人参の変わり蕎麦」と「ひじきの変わり蕎麦」がある。おそらくオレンジ色や黒色の蕎麦だと想像されるが、色気ムンムンのオバサマ連とここで変わり蕎麦を全種頼んで、イロキチガイ大会をやったら面白そうである。
最後は「せいろ」。蕎麦は変わり蕎麦よりも若干太い。色は更科系にしてはそれほど白くはない。
蕎麦は味も香りも豊かで美味しい。
これらの蕎麦を食べただけで、このお蕎麦屋が超繁盛店である理由がわかったような気がする。
「布恒更科」(南大井):http://www1.cts.ne.jp/~masu/shinagawasoba/nunotsune.html