5時過ぎに会社を抜け出し蕎麦屋酒を決行することにした。行き先は田園調布にある「兵隊屋」である。
母方の祖父は蕎麦好きで「満留賀」のファンであったことは以前に書いたが、父方の祖父も蕎麦に目がなく幼いころの私を蕎麦屋によく連れて行ってくれたものである。その祖父が贔屓にしていたのが田園調布の「兵隊屋」で、私と蓬莱公園を散策し、ここのもりそばを食べることを老後の楽しみにしていた。
二人の蕎麦好きの孫である私が毎日のように蕎麦行脚を続けるほど蕎麦に魅了されているのも「ア・プリオリ」なことなのであろう。
店の窓から空を見上げると空はうっすらと昼間の余韻を残しており、ビールを飲みながらしみじみとした感覚を味わうには絶好の時間帯である。
お酒は東京の「澤乃井」。「心土不二」を心がけている私には嬉しい酒である。すっきりとした飲みごたえがいい。
つまみは「板わさ」と「出汁巻き玉子」。
「板わさ」にはこのように生山葵がそのまんまついてくる。蒲鉾はぷりぷりで上品な味だ。きっと助惣鱈以外にもっと高級な魚を使っているのだろう。
「出汁巻き玉子」は注文するときに甘くするかどうかを確認してくれる。私はちょっと甘めが好きなので「ほんの少し」でお願いした。これは量がすごい、写真ではわかりにくいかもしれないが、卵を3個は使っているというボリューム。味は庶民的な味である。(焼き方も庶民的だよね!)
もう少しなにかをつまんで蕎麦で〆ようと考えていたのだが、出汁巻きで予定が狂ってしまった。
注文は「寿せいろ」(945円)にした。(普通の「せいろ」は630円)
蕎麦は長野県飯山市の寿というところで自家栽培したものだそうで、製粉もこのお店でやっているそうだ。
蕎麦の味は良い。香りも良い。だが、歯ごたえがいただけなかった。柔らかすぎるのだ。
つゆは薄めの甘めで、蕎麦との相性は私の好みのものではなかった。
それでも、いつの日か幼き日のノスタルジーに浸りたくなったら、またこのお蕎麦を食べに来るような気がする。
「兵隊屋」(田園調布):http://www.heitaiya.co.jp/
家に帰り岡本商店の野沢菜を肴に「鳳凰美田」をひっかける。
そのあと・・・家庭内事情により家出。(詮索しないでね)
延々と歩き続け辿りついたのが広尾の「ラス・トレス・ラマス」である。(
過去記事)今日も満員で辛うじて一席だけ余った椅子にもぐりこみスペインはルエダ産の白をがぶ飲みする。(オーナーの三枝さんに「今日はペースが速いわね」と言われるが、「ちょっとした事情でね」とすっとぼける。)
つまみは「トルティージャ」。やはりここのがヌメロ・ウノ、ナンバーワンである。
ワインを3杯飲み、さくっと店を出て家路を辿る。足取りは当然重い。(詮索してもいいよ。 笑)
家に帰り迎え酒「鳳凰美田」の梅酒をあおる。何杯かあおる。で・・・で・・・あれ?どうしたんだっけか・・・おぼえてなーい。(苦笑)