ガスコーニュ地方の郷土料理を食べさせるフランス料理店「Au Petit Paris」は25年前に目黒の駅ビルで産声をあげ、12年前にここ白金に移ってきた。
ここの「ガスコン」という名前の前菜が旨いので、目黒にあったころはよく通ったものである。
「ガスコン」という料理は、ミンチした鴨肉の中にそのときどきの旬の魚介類を入れたものを牛肉の網脂で包んでソテーし、美味しいソースをかけた逸品である。
これ以外だと、これも前菜だが、野菜のテリーヌが旨い。
今日は久しぶりに(おそらく10年ぶりくらいか・・)この「ガスコン」を食べたくなり出かけた。
土曜の午後8時近いのに店内はガラガラ、客は私たち夫婦だけなのである。
今日食べる料理は前菜に「ガスコン」と「野菜のテリーヌ」、それにメインに鴨か子羊を一皿とってシェアしようと予め決めてあった。
と・こ・ろ・が・・・・・「ガスコン」も「野菜のテリーヌ」も売り切れだそうで、マダムによるとランチのときに全部出てしまったという。
(店の看板商品をディナーで切らしてもいいのかなぁ?ディナーのためにランチのお客さんには出し惜しみをしても取り置きしておいてくれれば・・・)
この時点で河岸を変えようかとも考えたが、せっかく久しぶりに来たのだからと「魚介類のタルト」、「アルペルジュ・ブロンのオランディーヌ・ソース」、「鴨のなんとかソース」を注文。
(これだけしか注文しなかったのは、ここで軽く食べてどこかもう一軒行こうとしたからだ)
ワインは2003年のサンセール。
料理は昔とまったく変わらないホッとする味つけであった。
斬新さなどはまったく垣間見ることのできない、トラディショナルかつオーソドックスな味である。
こういうフランス料理を出すレストランって最近の東京には珍しいのではないだろうか。
といっても、ここ何年もフランス料理のトレンドからは遠ざかってしまっているのだが・・・・・
こんどは電話で看板料理の有無を確認して出かけることにしよう。
この店!前からずーっときになっていた。
表にメニューなんかでていないし、看板すらも掲げられていないのだ。
思い切って店内に入って様子を見てみようとドアノブを引っ張ったが、鍵がかかっていて入ることはできなかった。
この店は知る人ぞ知る名店だそうで、ネットにはほとんど登場しない隠れ家である。
場所は「サバド・サバデテ」のビルの路地を一本隔てたところ。
なんか、気になる・・・・・気になる・・・・・