前期もなんとか無事に終わり、やっと普段の暇な生活が戻ってきた。
我慢していた外食も解禁となり、早速、白金にあるグローバル・ダイニングの「ステラート」で食事をした。
注文は「パエーリャ・ランチ」(1700円)である。
アツアツのパエージャ・パンがテーブルに置かれると、サフランの香ばしさが鼻をくすぐる。
魚介類のエキスを十分に含んだパエージャはスペインで食べたのよりも味が豊かで繊細である。
スペインへの単なる憧れで頼んでしまったが、今回の選択は大正解であった。
久しぶりの訪問であったが、シェフが替わったのだろうかと思いスタッフに尋ねてみるとやはり替わったらしい。
いまのシェフはベルギー大使館のシェフを勤めていたそうである。
今度は夜に来よう。
紅芋の冷製ポタージュ。
紅芋の味が十分に感じられる一品。
ビシソワーズというフランス・ビシーのジャガイモの冷製ポタージュがあるが、このポタージュは何と命名すべきなんだろうか。
●「ステラート」店内 なかなか豪華な設えだ
●屋上(4階) ここで月見をしながらワインを楽しむのもいい
●城砦を思わせる正面 1・2階は「ラ・ボエム」
学生時代、悪友と高田馬場の喫茶店「北欧館」に通いつめたことがある。
その喫茶店に悪友のお気に入りのウエイトレスがいたからである。
彼がその喫茶店でその女性にちょっかいを出している間、手持ち無沙汰な私はそこのマスターとよく話をした。
暇な店だったので、彼からいろいろな話を聞くことができた。
時には将来の方向性について相談にのってもらったこともある。
時には若さゆえの甘い考えを詰られたこともある。
悪友がその彼女に振られてからは「北欧館」からは足が遠のいてしまったが、ときどき無性にマスターに会いたくなって顔を出しては彼と話をしたものだ。
大学を卒業し、マスターの想い出もほとんど消えかかった頃、ふとある雑誌で彼の写真を見た。
その人こそ「グローバル・ダイニング」の創業者、長谷川耕造氏である。
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スペイン旅行記(アルコス・デ・ラ・フロンテーラ その1)アップしました。